禅叢寺は禅宗のお寺。本堂や庫裏の各所に掲げた「禅語」についてご紹介します。
ぜひその意をお汲み取りいただき、禅の教えの奥深さに触れていただきたいと思います。
照顧脚下(しょうこきゃっか)
本堂や庫裏の入口でお迎えするのがこの禅語。「看脚下」「脚下照顧」ともいいます。文字通り〈足元に注意しなさい〉という言葉ですが、己自身をしかと顧みて、一歩一歩、自分の足でしっかり歩き出しなさい、という教えでもあります。
喫茶去(きっさこ)
庫裏の玄関の正面頭上にある禅語。文字通り〈お茶を召し上がれ〉という言葉ですが、どんなときにも、どんな相手にも、「まあ、よくいらっしゃいました。まずはお茶でもどうぞ」と理屈抜きに迎えることのできる心持を表します。
動中工夫勝静中百千億倍
(どうちゅうのくふうは じょうちゅうにまさること ひゃくせんおくばいす)
白隠禅師が常套語として愛した禅語。ユニークな「中」の書き方も白隠禅師ならではです。静かに坐禅するだけよりも、誠心誠意日々の作務に汗を流すことのほうがはるかに尊いという意味です。
山呼萬歳聲(やまはよぶ ばんぜいのこえ)
庫裏の和室にある禅語。昔、漢の武帝が、少林寺のある崇山という山に登り、山の神をお祀りした際、家臣一同が「万歳」を合唱し、山全体が万歳と叫んだように聞こえたという故事に由来します。